玄米はダイエットの味方?

玄米はダイエットにも生活習慣病の予防にも、優れた効果を期待できる食品です。玄米ダイエットあるいは発芽玄米ダイエットという言葉を耳にされたことがあるでしょうか。

玄米は白米に比べてビタミン、ミネラル、そして食物繊維がとても豊富な健康食品です。

栄養価に優れることが利点であるのは言うまでもないことですが、食物繊維には独特のダイエット効果があります。

食物繊維が多い玄米はよく噛まないと飲み込めないため、「噛むダイエット効果をもう少し」にあるように噛むことが優れたダイエット効果を生み出すという利点があります。

噛むことで、体脂肪の分解と燃焼を促進できるのです。

食物繊維には低インシュリンダイエットの目的である、体脂肪を蓄えにくい食べ方を行うには優れた作用があります。

玄米はご飯(炭水化物)でありながら食物繊維を多く含むために、インシュリンの上昇を緩やかにするのです。

インシュリンの分泌を緩やかにするということは体脂肪を蓄えにくい食べ方であるとともに、糖尿病を予防するという観点からも大切なことです。

この食物繊維に独特の効果に加えて栄養が豊富であることを考慮に入れると、玄米は健康維持や生活習慣病の予防にも抜群の効果を発揮する食品であるという結論です。

玄米のダイエットに役立つ栄養成分

玄米にはダイエットに役立つ栄養が、豊富に含まれています。

玄米の可食部100g当たりで特に多い栄養成分はマグネシウム 110mg、マンガン 2.05mg、ビタミンB1 0.41mg、ナイアシン 6.3mgです。

玄米(乾)を100g食べるだけでマグネシウム、マンガン、ビタミンB1、ナイアシンの1日の栄養所要量の3分の1を満たしてしまいます。

また白米の時には100g当たり0.5g(不溶性食物繊維 0.5g)しか含まれていなかった食物繊維が、玄米では3.0g(水溶性食物繊維 0.7g、不溶性食物繊維 2.3g)含まれるようになります。

食物繊維にはダイエット効果が

食物繊維にはダイエット効果を期待できます。

白米の時には全く含まれなかった水溶性食物繊維が、玄米では100g当たりで0.7g含まれるようになります。

問題点は含有量がそれほど多くないことですが、水溶性食物繊維は不溶性に比べて機能性に優れています。

なぜ水溶性食物繊維の機能性が優れているのかといえば、水分を吸収して元の何十倍にも膨れ上がる性質を持つからです。

この性質は、不溶性食物繊維にはない特徴です。

このような性質は便秘解消に強く作用し、血糖値の上昇を緩やかにする機能性の大きさも不溶性より優れています。

コレステロールを包み込んで排出させる作用も、水溶性食物繊維が持つ特徴です。

含有量がそれほど多くないためこれらの機能性が大きいとは言えないところが欠点ではありますが、ダイエットや生活習慣病の予防効果を少しでも引き出せることは確かです。

不溶性食物繊維の含有量は0.5g(白米)から2.3g(玄米)へと増加します。

不溶性食物繊維は水溶性と比べて機能性の点では劣ってしまうのですが、それでも食物繊維の摂取は健康維持にとって大切なことです。

しかしここで注意しておかなければならないのは、玄米は白米に比べて食物繊維が多い分消化吸収が悪いという点です。

このため消化不良を起こす体質の人がいるようですので、白米を一気に玄米100%に変更するのではなく、七分つき米(ぬか層を70%取り除いたもの)、半つき米(ぬか層を50%取り除いたもの)と徐々に変えてみる必要があります。

玄米を炊くときは水を少し多めにするとよいでしょう。玄米特有のにおいや硬い食感はお粥にすることで気になくなります。

玄米は慣れれば非常においしいものですが、食物繊維が多いためによく噛む必要があります。

よく噛むことはヒスタミンという体内物質の分泌を促すため、食欲の抑制や体脂肪を減らす効果を期待できます。

生活習慣病を予防する成分

玄米には生活習慣病を予防する成分も含まれています。フェルラ酸、トコトリエノール、ガンマオリザノールなどは、生活習慣病の原因である活性酵素を除去する作用を持ちます。

ただし玄米食に関して注意点が1つあります。

玄米にはフィチン酸という成分も同時に含まれていますが、これはミネラルと結合してフィチン酸塩という物質を作り出します。鉄分、カルシウム、マグネシウム、亜鉛といったミネラルは、フィチン酸と結合されると吸収が阻害されてしまいます。

ミネラルの欠乏症を防ぐためには、ミネラルが多い食品を多めに摂取することを心掛ける必要があります。

オリゴ糖が玄米によるミネラルの吸収阻害を補う

オリゴ糖には玄米のミネラル吸収阻害という欠点を補う作用があります。玄米とオリゴ糖を食べあわせることでミネラルの吸収率が上昇しますので、玄米が有する欠点を緩和することにつながるわけです。「オリゴ糖がオリゴ糖がオリゴ糖がミネラルの吸収を促進

ミネラルをただ摂取するだけでは、その吸収率はあまりよくありません。例えばカルシウムといったミネラルを体に効率的に吸収させるには、腸内環境を整えることが必須の条件となります。

ミネラルを吸収する体の器官は小腸のみではなく、大腸も関与しています。大腸の始まりの部分である盲腸が欠落したラットは、ミネラルの吸収率が悪くなるという実験結果もあります。

オリゴ糖を摂取することにより腸内善玉菌が乳酸や酪酸といった短鎖脂肪酸を産出し、これがミネラルの吸収率を上昇させるのです。