朝食抜きダイエットは正しい食事方法?
朝食を抜くダイエットは正しい食事方法といえるのでしょうか。
基本的にダイエットは1日のカロリーの総摂取量を総消費量よりも抑えることですので、朝食を抜くことで摂取カロリーを制限できます。
朝食を抜いた分のカロリーを、夕食にまわすことも可能でしょう。
確かにそういった観点から考えれば、これは計算上は正しいダイエットの行い方といえるかもしれません。でもこの方法には問題点があります。
朝食抜きダイエットの欠点
朝食抜きダイエットの欠点の1つが、一日の食事回数が3回から2回に減ってしまうことです。
まず1日のカロリーの総摂取量が同じであれば一度の食事に片寄ってカロリーを摂取するよりも、できるだけ多い回数に分けてカロリーを摂取する方が体脂肪がつきにくいという事実があります。
人の体は長い間食事を取り入れない状態が続くと、その後に食事を取り入れた時に摂取したエネルギーを蓄えなければならないと判断します。
例えば前日の夜に夕食を取り、次の日の朝に朝食を抜いて昼食時に初めてこの日の食事をしたとします。
このような場合、約16時間もの間一切食事を取らなかったということで脳が飢餓状態になったと判断し、昼食時に摂取したエネルギーをできるだけ蓄えようとします。
これは本来、飢餓を度々経験してきた人類が生命を持続させるために必要なことなのです。
ホルモンの作用で体脂肪を蓄積
朝食を抜くことで体脂肪を蓄積しやすいもう1つの理由はホルモンの作用です。
食べたものを体脂肪に蓄積させる作用を持つホルモンは朝に少なく、夜には反対に多く分泌されます。
すなわち同じ条件で食事をした場合、朝食では体脂肪にはなりにくく、夕食では最も体脂肪にやりやすいことを意味します。
そもそも全く同じものを食べたとしても夕食の方が体脂肪になりやすい上に、夕食後は寝るだけなのでカロリーを消費することもありません。
思考能力や集中力の低下
更に問題なのは、朝食を抜けば一日の活動が始まる朝の重要な時に体が眠ったままの状態になってしまうということです。
前日で摂取したエネルギーは肝臓にグリコーゲンという形で貯蔵されますが、寝ている間にも少しずつ消費し、朝起きた頃にはほとんど使い果たしてしまいます。
このような状態だと体の体温は上昇しませんし、脳にもブドウ糖が十分に行き渡らないので思考能力が低下して集中力も落ちてしまいます。
このような状態では仕事もはかどりませんし、勉強をしても内容が頭に入りません。朝食を欠かさずに食べる児童は食べない児童に比べて、学習意欲と学力が高い傾向にあることを示す研究結果もあります。
生活習慣病も朝食抜きダイエットの欠点
生活習慣病でさえも、朝食抜きダイエットの欠点のうちに入ります。
朝食を抜く習慣が長く続くと、糖尿病を始めとする生活習慣病を引き起こしやすくなるのです。
糖尿病とはインシュリン不足のために糖の有効な利用が行われない病気で、極端に太ったり痩せたりします。
また昼食まで外から一切の栄養が入ってこないため、その場しのぎで体脂肪よりもむしろ骨や筋肉の方を分解して、活動のエネルギーを確保しようとするでしょう。
骨粗しょう症や、基礎代謝量の低下を招くということです。これらの理由から、朝食抜きのダイエットはあまりお勧めできません。