ダイエットへの基礎代謝量アップの方法論
ダイエットには基礎代謝量のアップが欠かせません。
1日の総消費カロリーの30%を占める運動や生活活動を重視するよりも、総消費カロリーの70%を占める基礎代謝を高める方がダイエットには効率的なわけです。
基礎代謝量のアップがダイエットに必要であるとはいえ、ではどのようにこれを実行すればよいのでしょうか。
基礎代謝とは生命の維持に必要な筋肉を動かす時の消費カロリーを示していますので、生命維持に関係する筋肉量の増加がその方法論です。
筋肉が多いほどダイエットに有利
筋肉が多いほどダイエットには有利に働きます。
体全体で消費カロリーが最も多い部分が筋肉なのです。筋肉量が多いほど基礎代謝による消費カロリーの量は多くなります。
従って筋肉の量が多いほど痩せやすくダイエットに向いた体質であるといえ、トレーニングで体の内外の筋肉を増やすことによって基礎代謝による消費カロリーの量を増やすことができます。
一般的にいって体重全体に占める筋肉の量が多く体脂肪率が低いほど基礎代謝の量は多く、カロリーを消費しやすくダイエットしやすい体質であるといえます。
筋肉量が多くカロリーを消費しやすい体質では、たくさん食事を摂ってもカロリーがどんどん消費されるために脂肪が蓄積されにくいのです。
逆に基礎代謝量の低い体質だと少ししか食べなくても消費カロリーも少なく、余った食物のカロリーが消費しきれず脂肪として体に蓄積されやすいのです。
ダイエットには体脂肪率の低下
ダイエットには体脂肪率の低下が必要で、体重の低下は単純に体脂肪量の低下を示すものではありません。
基礎代謝量が少ない体脂肪率の多い体質であれば更に肥満も進行しやすく、メタボリックシンドロームなど様々な生活習慣病を引き起こしてしまうので注意が必要です。
ダイエットだけでなく健康の面から考えても、体重よりも体脂肪率の低下を意識することが重要なのです。
体重を構成するものには体脂肪の他に、筋肉量や骨量なども含まれます。もちろん便や水分量も含まれています。
急な食事制限で減るものは筋肉量や骨量を主としたものであり、その反対に筋肉量を増やして基礎代謝量を増やすダイエットでは体脂肪を減らすことが可能です。
基礎代謝量のアップには遅筋を増やす
基礎代謝量のアップには遅筋を増やす必要があります。速筋を増やしても基礎代謝量にはあまり関係がありません。
すなわちここでいう筋力トレーニングとは、ボディービルダーが行うような自分の筋力の限界に近い重さの器具を10回程度持ち上げる過酷なトレーニングを指しているのではありません。
基礎代謝量をアップさせるために行う筋力トレーニングと、ボディービルダーが行う筋力トレーニングには決定的な違いがあります。
人間には2種類の筋肉が存在するのです。
1つは非常に重いものを短い間持ち上げるような強い力を発する筋肉(速筋)で、もう1つはそれほど重くないものを長時間継続して繰り返して持ち上げるような継続運動の筋肉(遅筋)です。
ダイエットに貢献する基礎代謝量をアップさせる筋肉とは、2つ目の継続運動の筋肉(遅筋)です。
強い力を発する筋肉(速筋)を発達させても基礎代謝量はほとんど上昇しません。従って継続運動の筋肉(遅筋)を増やすことが必要になります。
なぜ基礎代謝量のアップに速筋よりも遅筋の増加が貢献するのかといえば、遅筋が消費するカロリー量の方が多いからです。
遅筋が増加することによる基礎代謝量のアップの度合いは、速筋のそれよりも絶大なのです。
遅筋を増やすためには、筋肉に軽い負荷をかけて継続して行うトレーニングをする必要があります。
例えば腹筋や背筋のトレーニングを素早くできるだけ多い回数行う、軽いバーベルをできるだけ素早く多い回数反復して持ち上げるトレーニングなどです。
歩行やジョギングでも基礎代謝量はアップする
基礎代謝量のアップに過酷なトレーニングが必要なわけではありません。通常の歩行やジョギングも立派なトレーニングです。
なぜなら心臓や肺にも当然筋肉が存在するので、心肺機能を高めることもまた基礎代謝量を高めるためには有効なのです。
また、歩行は体全体の筋肉の大部分を使うといわれていますので、体全体のあらゆる遅筋を発達させる効果を期待できます。
過酷なトレーニングは長続きしませんので、まずは意識して歩くことから始めるのも1つの方法です。
とても簡単で誰でも長続きする運動方法に関しては「ダイエットに有利な運動とは?」。