サウナで痩せられる?
サウナで痩せることができると思ってしまいがちですが、サウナはダイエットの観点からは無意味です。
サウナで汗を流せば、痩せられると想像したことはないでしょうか。
確かに、サウナに長時間入ってから鏡を見ると、体は少しスリムになったように見えます。でも、人の体は短時間でそれほど急に体脂肪が減少するものでしょうか。
これは体の水分が一時的に減っただけのことです。
痩せることとはまた次元が違う話で、この後水を飲むと体型は元に戻ってしまいます。
人の体は無数の細胞で構成されていますが、細胞内には塩分を含んだ溶液が含まれています。そして体の水分の比率は必ず一定に保たれるようになっています。
どのようなしくみにより、体の水分量が一定に保たれるのでしょうか。
細胞内には塩分を含んだ溶液が含まれますが、この溶液の塩分濃度によって体の水分の比率が決められるようなしくみになっています。
細胞内の溶液には浸透圧という科学的なしくみが存在しており、細胞膜(細胞の外周壁)を通して水分が塩分濃度の少ない所から多いところへ移動します。
このことによって、細胞内の塩分比率は水分量の調節により一定に保たれるのです。
すなわちサウナで汗をかくことによって体の細胞内から水分が失われて塩分濃度が濃くなると、水を飲んだ時にはそれがまた細胞内へ戻ることで細胞内の塩分濃度を一定に保ちます。
これがサウナで一時的に体が細くなり、水を飲んでまた元に戻るしくみです。
サウナは低温やけどが心配
サウナに長時間入ることは、大変危険なことです。
体の水分が極端に失われることで思わぬ健康障害を引き起こしてしまう可能性もありますし、案外思いつかないことに低温やけどの心配もあります。
低温やけどは体が熱くないと感じる温度でも、体温よりも高い温度で長時間体を刺激し続けることで生じるやけどのことです。
例えば体温が36度であったとして、サウナの室内は必ずそれ以上の温度になっています。
体の表面のやけど以外にも、呼吸する時の空気の通り道である喉や肺などのやけどを考える必要があります。
サウナはダイエットには全く意味がないばかりか、健康を害する可能性さえもあるのです。痩せるために有効なことは、食事制限か運動なのです。