緑豆も生活習慣病を防ぐ?
緑豆にも生活習慣病を予防する幅広い成分が含まれる可能性があります。緑豆は古代の医学書においてもすでに漢方薬としての使用が記述されています。
古代の医学書には、緑豆を摂取することで得られる健康効果についての様々な記述があります。
中国の古代医学書である本草綱目には高脂血症、耳下腺炎、日射病、毒物中毒の解毒作用、抗菌作用、頭痛改善、利尿作用による水腫れの改善、胃腸の働きを促進、唇の出来物や傷、歯茎のむくみの改善に有効と記されています。
また本草綱目の著者である李時珍は緑豆について、腫れを消し、痘(熱性の伝染病)を治す効果は小豆と同じであるが、熱を解き毒を治す力は小豆より強く、気を益し、腸胃を補い、経脈を通じ、常食しても害にはならないと記しています。
中国古代において諸葛孔明が南征北伐で風土の異なる地に遠征する際、兵が病にかかることが多く、治療薬として緑豆を粉にしたものに甘草を2割加えたものを飲ませたという記述が残っています。
風邪には特に有効で、解熱の効果と解毒作用を発揮するとされています。このような緑豆の薬効は、緑豆に含まれる数百種類以上にのぼる植物性化学物質の複合的な働きによって作用するといわれています。
動脈硬化を予防するサポニン?
大豆の動脈硬化を抑制する成分として知られるサポニンは、緑豆にも含まれています。サポニンは大豆に含まれることで知られる成分ですが、大豆サポニンには動脈硬化を予防する作用があります。
もちろん緑豆が含むサポニンと、大豆が含むサポニンが全く同じというわけではありません。
サポニンを定義すれば、植物の成分として幅広く分布する配糖体などの総称で、水に溶けてせっけんのように泡を生じる成分です。サポニンは血液に溶ける性質があり、健康に有益な作用とともに悪影響を有することもあります。
従って緑豆サポニンにも大豆サポニンと同様の作用があるのかは不明ですが、漢方薬に似た作用を有することは確かです。
女性の美容と妊娠中の栄養素
緑豆には女性の美容と、妊娠中に摂取したい栄養素が含まれています。女性の美容に効果を発揮するイソフラボンですが、これも緑豆が含む成分の1つです。イソフラボンは女性の更年期障害の様々な症状を緩和します。「美容対策は大豆のイソフラボンで」
また緑豆の栄養価を特徴付ける成分には葉酸があり、100g中に460μgも含まれています。葉酸は神経管閉鎖障害を予防するために必須の栄養素であることから、妊娠中の女性には欠かせません。
古代の医学書と現代で知られる緑豆の作用を比べれば、古代医学書に記された効能もあながち嘘ではないと言えなくもありません。