中性脂肪を減らす大豆のβ-コングリシニン

中性脂肪を減らすには、β-コングリシニンという大豆に含まれる成分が有効です。中性脂肪を減らすことは、動脈硬化などの生活習慣病の危険性を減らすことにつながります。

動脈硬化が恐ろしいのは、血管が詰まる場所が心臓や脳である場合です。心臓で動脈硬化が発生すれば心臓病となり、脳で発生すれば脳梗塞につながります。

大豆は生活習慣病を防ぐ成分が複数含まれる健康食品ですが、その内のβ-コングリシニンは中性脂肪を減らす役割を持つことから、動脈硬化の予防には非常に優れた成分といえます。

動脈硬化は中性脂肪の増加も原因

動脈硬化は中性脂肪の増加が1つの原因となります。動脈硬化は生活習慣病の1つに数えられますが、肥満や糖尿病、高血圧であれば動脈硬化を引き起こしやすくなります。

動脈硬化の引き金になるのは血液中のコレスレロールとともに、中性脂肪の増加がその要因です。中性脂肪が多いと血液は白濁しますが、これがコレスレロールの増加とともに動脈硬化へと進展します。

もちろん動脈硬化の原因には遺伝と食生活も関係しますので、動脈硬化になりやすい遺伝を持つ人は食生活において特に気をつけなければなりません。コレステロールや飽和脂肪酸を多く含む(脂身の多い)動物性の食品の摂取には慎重になるべきです。

また、動脈硬化の原因を避ける観点からストレスやたばこを控え、動脈硬化を改善する(進行させにくくする)観点から運動をできるだけ行うことが大切です。

β-コングリシニンが中性脂肪を減らす

β-コングリシニンには中性脂肪を減らす作用が認められます。β-コングリシニンが中性脂肪の増減に与える作用について、マウスを使った実験があります。

大豆たん白健康情報センターによると、肥満・糖尿マウスと通常マウスの両グループそれぞれにβ-コングリシニンを加えたエサを与えると両グループともに糞中の中性脂肪が多くなり、血液中の中性脂肪が少なくなりました。

その反対にグリシニンやカゼインを加えたエサで飼育した場合、糞中の中性脂肪が少ない一方で血液中の中性脂肪は多い結果となりました。β-コングリシニンとグリシニンは大豆のたんぱく質を構成する成分で、カゼインは乳たんぱく質の約80%を占める成分です。

上記の実験から読み取れることは、大豆のたんぱく質に含まれるβ-コングリシニンには中性脂肪を減らす作用があるけれど、大豆のグリシニンおよび乳たんぱく質には中性脂肪を減らす作用がないということです。

何れにせよ大豆にはβ-コングリシニンが含まれていますので、大豆の摂取で中性脂肪を減らせることが確認されたということです。