メタボリックシンドロームには大豆の不飽和脂肪酸
メタボリックシンドロームの予防には不飽和脂肪酸が重要な役割を演じますが、大豆には不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。メタボリックシンドロームには大豆の摂取が有効なのです。
メタボリックシンドロームとは内臓脂肪が多い状態であるため、それを原因とした数々の生活習慣病を併せ持つ病態のことを指します。具体的には高脂血症や糖尿病、高血圧といった生活習慣病を併せ持つ状態のことです。
これらの生活習慣病と内臓脂肪とは密接な関係を持つため、メタボリックシンドロームの予防には内臓脂肪をためない生活習慣が必要です。メタボリックシンドロームになれば具体的に何が恐ろしいのかといえば、この病態が動脈硬化を引き起こしやすいという点です。
不飽和脂肪酸には内臓脂肪や血液中の悪玉コレステロールを低減するなど、メタボリックシンドロームの予防と健康維持には有益な機能性があります。
大豆には脂肪分が豊富に含まれていますが(100gの重量に対して19% / 国産大豆の乾の例)、その脂肪分の内の約85%が不飽和脂肪酸で構成されています。
不飽和脂肪酸は動脈硬化を予防する
不飽和脂肪酸が動脈硬化を予防するしくみは、不飽和脂肪酸に血液中の悪玉コレステロールを減少させる作用が備わっているためです。
不飽和脂肪酸は心臓、循環器、脳、皮膚といった重要な器官や組織に必要な栄養で、体では生産されにくい成分なので、食事から摂取する必要があります。
悪玉コレステロールは動脈硬化の原因となるため、動脈硬化を予防するためには血液中のコレステロールを正常に戻す必要があります。
動脈硬化の予防に有利な成分は、不飽和脂肪酸の他にも食物繊維があります。もちろん動物性の脂肪は血液中の悪玉コレステロールの増加に直結しますので、脂肪の多い肉を多量に食べていたのではどれだけ不飽和脂肪酸や食物繊維を摂取しても間に合いません。
不飽和脂肪酸の特徴
不飽和脂肪酸は常温で液状であるという性質を持ち、反対に飽和脂肪酸は常温で固まるという性質を持ちます。例えば植物性の油は常温で液状ですが、肉類の脂は常温で固まる性質を持ちます。
不飽和脂肪酸は主にイワシやサバなどの魚介類や、植物性の食品に多い脂肪です。ただし不飽和脂肪酸は酸化によって容易に飽和脂肪酸へと変化してしまいますので、イワシやサバに多いといっても新鮮でなければ肉類の脂肪と変わらなくなってしまいます。
肉類や乳製品の脂肪分は飽和脂肪酸が多いため、内臓部分の体脂肪になりやすくメタボリックシンドロームを招きやすい脂肪分といえます。そのためこれらの食品を多くとりすぎると、動脈硬化や心臓病などの血管に関する病気を誘発させやすくなります。
メタボリックシンドロームを予防するためにも肉類や乳製品の多量摂取は避け、できるだけ青魚を多く摂取した方がいいでしょう。