フラバノンの概要
フラバノンはフラバンを骨格とするフラボノイド系のポリフェノールの一種で、植物に配糖体(糖質以外の物質とオリゴ糖が結合した成分)という形で存在します。
フラボノイドは毛細血管を保護して丈夫にすることで知られ、また抗酸化作用、抗菌作用(虫歯菌の増殖を抑えるなど)、抗がん作用、抗アレルギー作用や血圧の上昇を抑制する効果が知られています。
フラバノンはミカン科の植物に多く、みかん、レモン、ダイダイの外果皮の白色部分に多く含まれるポリフェノールです。
温州みかんのフラバノン
温州みかんにはフラバノンが含まれています。フラバノンは更にヘスペリジン、ナリンゲニンなどに細分化されますが、温州みかんに含まれるものはヘスペリジンという種類のものです。
ヘスペリジンには毛細血管を強くする作用、抗アレルギー作用、抗ウイルス作用が指摘されています。ヘスペリジンは温州みかんの果肉100g当たりで0.1gも含まれる場合があるといいます。
温州みかん中のヘスペリジンは房の部分や房に付く白い部分に多く含まれるといわれますので、できるだけ房と白い部分ごと食べる方が健康には効果があるでしょう。
温州みかんが健康に取ってよいのはフラバノン類のヘスペリジンが含まれているという理由だけでなく、ビタミンCとともにペクチンが含まれるからです。
ペクチンとは一種の水溶性食物繊維のことで、果物を原料にしてジャムを煮詰める時に固まる原因となる成分です。これは寒天を煮詰めて冷やすと固まる性質と同じといえます。
健康維持のためには食物繊維を一日当たりで20~25g摂取することが推奨されますが、機能性の大きな食物繊維は不溶性のものよりもペクチンのような水溶性のものです。
水溶性食物繊維はジャムを作るときに水分を固める性質があるように、体内に取り入れると水分を多量に取り込んで消化器官や腸内でどろどろに膨れ上がります。
水溶性食物繊維のこのような性質は一緒に食べたものの消化吸収速度を緩めたり、便のかさを大幅に増やして便秘解消にも働きます。
温州みかんはフラバノンとペクチン、ビタミンCを含む機能性食品だったのです。