エラグ酸の概要
エラグ酸は抗酸化作用及び美白効果で知られるポリフェノールの一種です。エラグ酸はその抗酸化作用から食品添加物に利用され、美白効果から化粧品に使用されます。
エラグ酸は赤色のラズベリーやいちご、ザクロなどに含まれるポリフェノールです。またユーカリやヒシの成熟実など幅広い植物に含まれています。
以前にザクロが植物性のエストロゲンを含むということで知られることとなりましたが、エラグ酸も含むため美白にも有効な果実といえます。
エラグ酸の美白効果
エラグ酸には美白効果がありますが、エラグ酸の美白効果はチロシナーゼの働きを抑制することによるものです。
チロシナーゼとはメラニンの生成に必須の体内物質で、エラグ酸によってチロシナーゼを作用させないことでメラニンの生成を防止することができます。
私たちの皮膚の上層部にはメラノサイトと呼ばれる色素細胞が存在し、メラノサイトによってメラニンが作り出されます。チロシナーゼはメラノサイトがメラニンを作り出す時に作用する酵素です。
すなわち皮膚が紫外線を受けるとメラノサイトが刺激を受けますが、メラノサイトが刺激を受けることでチロシナーゼが活性化します。そしてチロシナーゼの働きにより、メラニンが生成されます。
メラニンが生成される条件にはもちろん皮膚が紫外線を受けるということもありますが、チロシナーゼの働きもメラニン生成の条件の一つです。チロシナーゼさえ活性化しなければ、メラニンが生成されることもありません。
なお、エラグ酸の持つチロシナーゼの働きを抑制する作用はクロロゲン酸にもあります。
イチゴの抗酸化作用
イチゴには抗酸化作用で知られるアントシアニンとビタミンC、エラグ酸が含まれています。
イチゴが赤く色づくのはアントシアニンが含まれるためで、ビタミンCは100g当たりで62mg含まれています。そしてイチゴの抗酸化作用の約3割までが、アントシアニンとビタミンCによるものであるといわれています。
抗酸化作用の残りの7割の部分についてはイチゴに含まれる他の何らかの成分が影響しているためですが、その成分のうちの1つに数えられるものがエラグ酸です。
イチゴはアントシアニンやエラグ酸、ビタミンCと抗酸化作用を有する成分が多く含まれる美白にもよい食品ですが、イチゴの栽培にはその性質上から農薬を多量に使用します。
このためイチゴはできるだけ減農薬として栽培方法を工夫したものを食べるか、あるいは食べ過ぎないことも必要です。