キチンオリゴ糖・キトサンオリゴ糖の概要
キチンオリゴ糖とキトサンオリゴ糖はかに、えび、昆虫などの節足動物の外皮を構成する成分として知られるキチン・キトサンを原料として作られるオリゴ糖です。
キチンオリゴ糖はキチンから作られるオリゴ糖で、キトサンオリゴ糖はキチンを加工した成分であるキトサンから作られるオリゴ糖です。
毎年大量に発生するかに殻などを有効活用する視点から、キチン・キトサンが研究開発されました。その後に健康に対する有効性などからキチン・キトサンが様々な分野で活用され、オリゴ糖の生産原料にもなりました。
キチンオリゴ糖とキトサンオリゴ糖の生産方法
キチンオリゴ糖とキトサンオリゴ糖は酸分解、あるいは酵素分解を利用して生産します。
キチンを酸分解させたものがキチンオリゴ糖で、キトサンを酸分解あるいは酵素分解させたものがキトサンオリゴ糖です。
かに、えび、昆虫などの外骨格からカルシウムやたんぱく質を取り除くことでキチンを生産し、キチンを脱アセチル化することでキトサンを生産します。
キチン・キトサンの原料となるかに類の漁獲量が年々と減少しているため、将来的にはえび、オキアミ、昆虫、カビに含まれるキチンを有効利用することが検討されています。
オリゴ糖やキチン・キトサンの性質
キチンオリゴ糖とキトサンオリゴ糖はともに難消化性のオリゴ糖です。どちらもオリゴ糖としての整腸作用とそれに付随する健康作用を期待できます。
キトサンは食べてもほとんど消化吸収されない食物繊維と同様の性質を有し、コレステロールの吸収を阻害することから「コレステロールの体内への吸収をしにくくする食品」として知られています。
ただしキトサンを大量摂取した場合、特定の栄養素の吸収が阻害されてしまう心配があるようです。
キトサンには抗菌作用があるといわれています。また、キチンは火傷や外傷を早期に治癒する作用があるといわれ、医療用として利用されています。