キシロオリゴ糖の概要
キシロオリゴ糖は難消化性のオリゴ糖です。キシロオリゴ糖は腸内有用菌の活性化、虫歯の原因になりにくい、甘さが控えめ、低カロリーなどの特徴があります。
キシロオリゴ糖はさわやかな甘みを持ち、砂糖を100とすれば40~50程度の甘さがあります。砂糖が1g当たり4キロカロリーであるのに対して、キシロオリゴ糖は1g当たりで約2キロカロリーが熱量として体に吸収されます。
自然界ではキシロオリゴ糖という形ではほとんど存在していません。とうもろこしや竹の子に少量含まれています。また、キシロオリゴ糖には植物に対する生長促進作用もあるようです。
キシロオリゴ糖の生産方法
キシロオリゴ糖を生産するには、酵素反応を利用します。
キシロオリゴ糖はキシランを原料として、キシラナーゼなどによる酵素反応の分解という技術を用いて製造されます。キシランとは食物繊維の一種で、植物の細胞壁を構成する一部分です。
キシランをキシロオリゴ糖へ分解する酵素であるキシラナーゼは、バイオの技術を利用して生成されるようです。例えばきのこの一種であるシワタケの菌、あるいはカブトムシの消化管内に共生する菌などを利用してキシラナーゼを生産します。
キシロオリゴ糖は農業の副産物など、植物であればあらゆるものから酵素反応により生産することができます。原料としては非常に豊富であるため、いかに効率的にキシロオリゴ糖を生産するかの技術が研究されているところです。
天然のキシロオリゴ糖としてはとうもろこしや竹の子に含まれていますが、竹の葉である笹からキシロオリゴ糖を抽出することも可能であるようです。
この場合は笹を高温・高圧水蒸気で蒸煮するという製造方法から、酵素反応を利用しない安全なキシロオリゴ糖の生産が期待されます。
なお、虫歯になりにくい甘味料として知られるキシリトールも、キシランを原料として作られます。キシランからキシロース、キシリトールへと合成されます。
キシロオリゴ糖の利点
キシロオリゴ糖は難消化性オリゴ糖の1つに数えられるため、フラクトオリゴ糖と同様の健康作用を期待できるところがその利点です。
例えばキシロオリゴ糖を摂取すると体内の消化酵素では消化されずに腸まで到達するため、フラクトオリゴ糖に見られる整腸作用とそれに付随する健康作用を同様に期待できるというわけです。
キシロオリゴ糖にもカルシウムの吸収を促進させる作用があるといわれますが、これもフラクトオリゴ糖と同様に整腸作用に付随する健康作用の一部分といえるでしょう。