大豆オリゴ糖の概要

ポリフェノールとヤーコンのオリゴ糖

大豆オリゴ糖は大豆に含まれているオリゴ糖類の総称で、一部が消化性のオリゴ糖です。大豆のたんぱく質にはラフィノースとスタキオースというオリゴ糖が含まれていますが、これらを合わせて大豆オリゴ糖といいます。

大豆オリゴ糖は腸内有用菌の活性化、虫歯の原因になりにくい、甘さが控えめ、やや低カロリーなどの特徴があります。

大豆オリゴ糖はさわやかな甘みを持ち、砂糖を100とすれば70~75程度の甘さがあります。砂糖が1g当たり4キロカロリーであるのに対して、大豆オリゴ糖は1g当たりで約3キロカロリーが熱量として体に吸収されます。

大豆オリゴ糖とは大豆に含まれるオリゴ糖をいいますので、天然の大豆オリゴ糖としては大豆に含まれています。

大豆オリゴ糖の生産方法

大豆オリゴ糖を生産するには、大豆ホエーから分離精製します。従って大豆オリゴ糖の製造には酵素反応を利用しません。

大豆たんぱくを製造する時にはホエイというものが排出されますが、このホエイにはラフィノースとスタキオースが含まれています。これらのラフィノースとスタキオースの混合が大豆オリゴ糖ですので、ホエイから両成分を分離することになります。

ホエイから限外濾過というろ過の技術を利用してろ過液を作り、脱塩処理・濃縮・乾燥の工程を経て粉末状の大豆オリゴ糖を生産します。

大豆オリゴ糖の摂取方法

大豆オリゴ糖を天然の成分として摂取するには、大豆オリゴ糖の原料である大豆を摂取することが1つの方法です。大豆には健康維持に有利な多くの成分が含まれていますので、大豆製品を摂取することで、大豆オリゴ糖を含めた成分を一度に摂取することができます。

大豆オリゴ糖はラフィノースとスタキオースを合わせた成分ですので、大豆オリゴ糖の欠点は一部が消化性のオリゴ糖であるということです。

オリゴ糖の特長は大腸まで消化されずに到達することで引き出されますので、難消化性のオリゴ糖に比べれば整腸作用は劣ります。整腸作用が難消化性のオリゴ糖よりも劣るということは、整腸作用に付随する他の作用も同様に減少します。

メタボリックシンドロームや動脈硬化に有効な大豆

メタボリックシンドロームや動脈硬化を予防するには、天然食品としての大豆が非常に有利な食品となります。大豆オリゴ糖を抽出した製品を摂取するよりも、大豆それ自体を摂取した場合の健康効果は非常に大きいのです。

例えば動脈硬化や認知症には大豆のレシチンが効果的で、大豆に含まれるレシチンには血液中の悪玉コレステロールを減少させる役割があります。

またレシチンは脳の主要な構成成分でもあるため、レシチンを摂取することで認知症の可能性を減少させたり頭脳を明晰にしたりする作用を期待できます。

メタボリックシンドロームは動脈硬化を招きやすいため恐ろしい病態なのですが、メタボリックシンドロームには大豆の不飽和脂肪酸を摂取することが有効です。

不飽和脂肪酸にも血液中の悪玉コレステロールを減少させる作用があることから、動脈硬化の可能性を減らすためには有効な対策となるのです。

動脈硬化を招く原因ともなる中性脂肪ですが、中性脂肪を減らすには大豆のβ-コングリシニンが有効です。β-コングリシニンは大豆のたんぱく質を構成する成分なのですが、β-コングリシニンの摂取で中性脂肪を減らすことは動脈硬化の予防にも効果的なのです。

このように大豆オリゴ糖それ自体の健康作用は他の難消化性オリゴ糖に比べて劣るのですが、大豆を天然食品として摂取した場合はメタボリックシンドロームや動脈硬化の予防に有益なのです。