腸内環境と長寿の関係
腸内環境と長寿には、何らかの関係がありそうです。世界三大長寿の地域としてはコーカサス地方とフンザ地方、ビルカバンバ周辺が知られています。
この3つの地域の食文化に共通する点が何かといえば、それぞれに腸内環境を整える食品が存在しているのです。
例えばコーカサス地方ではヨーグルト、フンザ地方では発酵乳、ビルカバンバではオリゴ糖を含む野菜(ヤーコン)をよく食べています。
ここで日本に視点を移して、山梨にある長寿村が他の地域と比べて違う点が何かを調査した結果によると、長寿村の人の腸内善玉菌が他の地域の人と比べて多いことが実証されたということです。
腸内環境と免疫力について
腸内環境と免疫力には、相対的な関係があります。
腸管には体内の免疫細胞の大半が、集中して存在するためです。腸内の環境が理想に近づけば近づくほど、免疫細胞を保護することにつながるというわけです。
ところで腸内の理想的な善玉菌と悪玉菌のバランスは、80対20といわれています。しかし食生活の欧米化による肉食の結果、上記のバランスが正反対になってしまった人が多いとの報告があります。
肉食が多い食生活、あるいは食物繊維やオリゴ糖をほとんど摂取しない食生活を続けると、腸内環境はどんどん悪化していきます。
腸内環境が悪化する原因は、腸内の悪玉菌にエサを与えてしまうことです。悪玉菌のエサが何であるのかといえば、食事で取り入れる食品の未消化物です。
エサを得た悪玉菌は一気に繁殖して、発がん物質を含めた細菌毒素をどんどん生産することとなります。勢いづいた悪玉菌が腸管の免疫細胞を侵食していくのです。
便秘と健康の関係
健康維持には便秘解消が欠かせません。便秘は腸内環境が悪化する原因となり、免疫力の低下から健康維持に不利な状況を生み出してしまうのです。
免疫力低下と病気の発生には、関連性があります。体外から進入する細菌を排除するためには、免疫力を高めておく必要があるのです。
便秘は万病の元といいますが、あらゆる病気は免疫力の低下を原因として引き起こされます。風邪を引きやすいのも免疫力低下の結果で、細菌に感染しやすいのも同様に免疫力の低下が原因です。
あらゆる病気に負けない健康を得るためには、免疫力を維持する必要があります。
理想的な腸内菌のバランスであれば、一般的には毎日排便があります。このバランスが悪玉菌の方へと傾けば、毎日の排便が望めなくなります。
食事後に大腸へ到達するものは約70%が水分で、残りの30%が食品の未消化物や消化液に関係するものであるといわれています。
小腸で消化し切れなかったたんぱく質と脂肪分は悪玉菌の大好物で、これらの割合が増える毎に悪玉菌有利の腸内環境になります。慢性的な便秘と、悪玉菌が増加する悪循環に陥るというわけです。
この悪循環を断ち切るためには、食物繊維やオリゴ糖を摂取することで腸内環境を改善する必要があるのです。