ヤーコンのポリフェノールが優れる点

ポリフェノールとヤーコンのオリゴ糖

ヤーコンのポリフェノールが優れる点といえば、すなわちクロロゲン酸の特徴です。ヤーコンの主要なポリフェノールがクロロゲン酸であるからです。

ポリフェノールの基本的な特長である抗酸化作用は、クロロゲン酸(ヤーコン)もタンニン(赤ワイン)もアントシアニン(ブルーベリー)も同様に兼ね備えています。

赤ワインのポリフェノールが動脈硬化を予防することで脚光を浴びましたが、動脈硬化を予防する性質とはすなわち抗酸化作用のことで、活性酸素の悪影響を除去する性質のことです。

フランス人が食べるフランス料理のメニューを見ると、肉などのけっこう脂肪の多い食事が目に付きます。食後にも必ずバターや生クリーム、砂糖のたっぷり入ったデザートを食べる習慣があるようです。

ところが・・・カロリーの高い、脂肪分の多い食事を取っている割には心臓病で亡くなる確率が非常に低いそうです。フランス人は食事中に必ずワインをかたわらに置き、それをたっぷりと飲みながら楽しむ習慣があります。

このことからも赤ワインの持つポリフェノールが心臓病や動脈硬化、コレステロールなどに対する健康効果に貢献しているであろうということがささやかれています。実際に日本国内の研究機関でも研究され、ポリフェノールの効果が立証されたようです。

抗酸化作用という視点から考えればブルーベリーのアントシアニンにも、緑茶のカテキンにも備わっています。すなわちどの種類のポリフェノールを摂取することでも、活性酸素は除去できるのです。

それでは、ヤーコンのクロロゲン酸が有する特長とは何なのでしょうか。

ヤーコンの長所

ヤーコンも赤ワインに負けない量のポリフェノールを含み、赤ワインに見られる抗酸化作用は当然備わっています。活性酸素を除去する実力は劣らず兼ね備えているということです。

ヤーコンのクロロゲン酸の特長を説明する前に、赤ワインの欠点をここで指摘しておきます。

赤ワインにはタンニンというポリフェノールが豊富に含まれるため、動脈硬化の予防には非常に優れています。赤ワインを動脈硬化を予防する観点から見れば、確かにすばらしい食品なのです。

しかしその一方で赤ワインはお酒であるため、アルコールの分解には肝臓に負担をかけてしまいます。このため、赤ワインは健康へのプラスとマイナスの両方の作用を抱えることになります。

フランス人は動脈硬化に関係する疾患が少ないかわりに、肝硬変が多いことで知られています。健康によいといわれる赤ワインのポリフェノールをたっぷりと摂取していたとしても、平均寿命では日本人にはかなわないのです。

ヤーコンにはアルコールが含まれていないため、純粋にポリフェノールだけを補うことが可能です。それに加えてヤーコンには天然オリゴ糖と食物繊維も含まれているため、世界三大長寿の人たちに共通する、腸内環境を整えて長寿に利するという観点からも優れているのです。

ヤーコンのクロロゲン酸は多機能

ヤーコンのクロロゲン酸は美容にも優れ、糖尿病にも効果的なポリフェノールです。その上、抗変異原性も兼ね備えています。抗変異原性とは、がんの発生段階と成長段階の内の、発生段階を抑制する性質のことを指します。

クロロゲン酸の美白効果は、強いチロシナーゼ阻害活性の性質から引き出されます。チロシナーゼ阻害活性とはメラニンの生成を阻害する性質です。

クロロゲン酸が血糖値を下げるしくみがインシュリン増感剤と似ている部分があるため、インシュリン増感剤と同様の作用を有するのではないかともいわれています。

なお、ヤーコンに含まれるクロロゲン酸にインシュリン増感剤と似た作用があるとはいえ、ヤーコンの摂取の安全性はアンデスの食文化から考えても問題はありません。

ヤーコンは遠い昔のインカ帝国の時代(13~16世紀)から現在まで、アンデスでは絶え間なく食べ継がれてきた食文化があるからです。

ヤーコンを食べ継ぐ食文化を持つアンデスのビルカバンバ村は、世界三大長寿の地域の1つとして数えられているのです。