オリゴ糖の発見
オリゴ糖が体によいことは、母乳から初めて発見されました。
オリゴ糖を含んだ母乳を飲む赤ちゃんは、オリゴ糖を含まない人工ミルクを飲む赤ちゃんに比べて健康に育つのです。母乳を飲む赤ちゃんはなぜ健康的にすくすくと育つのか、最初はこの部分が疑問となりました。
当時はオリゴ糖という成分それ自体の存在さえも知られていませんでしたので、母乳と人工ミルクの成分の違いが着目されたわけです。
最初は母乳と人工ミルクを飲む赤ちゃんそれぞれの、便の状態に差があることが注目されました。母乳を飲む赤ちゃんの便の状態は、においも少なく色も明らかに異なるのです。
母乳で育った赤ちゃんの腸内にはビフィズス菌が多く、人工栄養で育った赤ちゃんの腸内にはビフィズス菌が少なかったことからオリゴ糖の研究が本格的に始まりました。
母乳のオリゴ糖による健康効果
当時はオリゴ糖の存在が知られていませんでしたが、母乳を飲んで育つ赤ちゃんは病気になる確率が低いという特徴がありました。当時は人工栄養で育った赤ちゃんは消化不良や下痢、赤痢などの病気になりやすく、死亡率が高かったのです。
母乳を飲む赤ちゃんだけが、なぜ下痢や赤痢などになりにくいのかが問題になりました。そしてあらゆる観点から研究が行われました。
この研究結果から、母乳には天然のオリゴ糖が含まれていて、その天然のオリゴ糖のためにビフィズス菌が増えていたことが突き止められたのです。この当時は画期的な発見でした。
下痢の原因は腸内で悪性の細菌が悪さを行うためですが、赤痢になるのは赤痢菌が繁殖するためです。抵抗力がまだ備わっていない赤ちゃんが母乳を飲み、ビフィズス菌が増えることで腸内の悪性細菌の繁殖を自然と防いでいたのです。
オリゴ糖は大人の健康も改善する
オリゴ糖でビフィズス菌が増えた赤ちゃんが、健康的に育つことまでは確かめられました。更にその後の研究では、オリゴ糖が赤ちゃんだけでなく大人の健康改善にも役立つことがわかりました。
今では当たり前のように知られる事実ですが、腸内のビフィズス菌が増えることで様々な健康効果を引き出します。またそれらの健康効果は、ビフィズス菌が腸内の悪玉菌の生存しにくい環境を作り出すことで達成されます。
悪玉菌は腸内で様々な悪さを行います。例えば食中毒もその1つですが、一番深刻なことは悪玉菌が体の免疫力を低下させてしまうことです。オリゴ糖で増えるビフィズス菌は、悪玉菌が増加することによる悪影響の排除に作用するわけです。