オリゴ糖が悪玉菌を減らす仕組み
オリゴ糖には腸内の悪玉菌を減らす働きがありますが、オリゴ糖の持つこの性質は血糖値を上げにくい甘味料であることと並んで、オリゴ糖を特徴付けるものです。
以前にオリゴ糖の存在それ自体がまだ知られていなかった頃、母乳を飲む赤ちゃんが下痢や赤痢になる率が低いことが注目されました。
その後の研究結果では母乳にオリゴ糖が含まれていること、母乳でオリゴ糖を摂取していた赤ちゃんは腸内のビフィズス菌が多いことが発見されました。
腸内のビフィズス菌が増加すると、健康によい影響を与えることのない悪玉菌が減少するのです。すなわちオリゴ糖の摂取で腸内の悪玉菌が減少することで、健康維持にとっては非常に有利になるということです。
オリゴ糖から乳酸や酢酸を生成
オリゴ糖の摂取でなぜ腸内の悪玉菌が減少するのかといえば、腸内を酸性に変える働きを持つ善玉菌が増加するためです。悪玉菌は酸性の環境では生きることができません。
難消化性のオリゴ糖は胃や小腸では消化吸収されないため、大腸まで直接届きます。そして大腸まで届いたオリゴ糖は善玉菌のエサとなり、エサを得た善玉菌は急増殖します。
オリゴ糖を得た善玉菌が増殖する速度と度合いは、O-157のような食中毒菌がどれだけ急速に増殖するのかを考えれば理解できます。
善玉菌が増殖する過程においては乳酸や酢酸が生成され、腸内環境は酸性に傾きます。
善玉菌は酸性の腸内環境を好むため更に増殖を続けることができますが、悪玉菌は酸性の腸内環境では生きることができません。このような訳で、オリゴ糖を摂取することで善玉菌が増えれば悪玉菌が減るのです。
善玉菌はビタミンを合成したり、免疫力を高めたり、感染症を防いだりと生命や健康維持には欠かせない存在なのですが、有害物質は生成しません。
これとは反対に悪玉菌は増殖する度に、アンモニアのような体に有害な物質を生成します。
難消化性オリゴ糖は健康効果が大きい
オリゴ糖は一般的に摂取しても、その全てが消化吸収されるものではありません。従って、消化吸収されない部分のオリゴ糖は直接大腸まで到達することになります。
もちろんオリゴ糖の一部分は体に消化吸収されます。オリゴ糖を摂取してもその一部分が体に消化吸収されるため、オリゴ糖1gには2~3キロカロリーあるわけです。
オリゴ糖のカロリーを決定付ける条件は難消化性の性質が強いかどうかですが、難消化性のオリゴ糖ほど低カロリーであり直接大腸まで到達する部分も多くなります。
オリゴ糖は直接大腸まで到達して初めて、その健康効果を発揮します。そのようなわけで、オリゴ糖の健康効果は難消化性のものであるほど強くなるというわけです。