痩せる腸内細菌が便からのカロリー吸収を減らす
痩せる腸内細菌には、便の残りかすからのカロリー吸収量を減らすダイエット効果があります。基本的に食べた物のカロリー吸収は小腸で行われ、カロリーを吸収し切った後の残りかすが便として大腸に移動します。そして大腸では水分などカロリーのない成分が吸収されるだけで、大腸からカロリー吸収が行われるとは考えられていませんでした。
しかし実際には、大腸でもカロリー吸収が行われていることがわかってきました。
従来、便秘になってもお腹に便がたまるだけであり、便の重量が一時的に体重に加算されることはあっても、便秘が直接太る原因にはならないと思われていました。しかし便秘になって便が大腸に留まることで、便から余分なカロリーが吸収されていたのです。
便秘で余分なカロリーが吸収されるしくみ
便秘になるとカロリーが余分に吸収されてしまいますが、この場合、便から吸収されるカロリーは三大栄養素である炭水化物、たんぱく質、脂肪の3つとは異なる栄養素です。
三大栄養素のカロリーは、炭水化物とたんぱく質が1g当たり各4kcal、脂肪が9kcalです。そして食品には三大栄養素の他に、食物繊維という栄養素があります。何かの食品を食べた時には小腸で三大栄養素のカロリーが吸収され、その残りかすとして食物繊維が大腸へ送り出されます。
胃と小腸で消化吸収されない食物繊維はカロリーゼロとして計算すればよいと思われていましたが、実は食物繊維に含まれるカロリーも吸収されていたのです。
腸内細菌が食物繊維を分解
食物繊維は腸内細菌によって発酵・分解され、短鎖揮発性脂肪酸という、1g当たり約8.3kcalの栄養素が生成されます。この栄養素は大腸壁から血液中に取り込まれ、摂取カロリーとして体に吸収されます。個人差はありますが、大腸からのカロリー吸収量は1日総摂取カロリーの約10%に相当すると考えられています。
その一方で、大腸内に痩せる腸内細菌がいる場合は、腸内環境が良好なことから排便がスムーズになります。排便がスムーズだと便が大腸内に留まる時間が短くなるため、便からのカロリー吸収量が減ると考えられます。