腸内細菌とアレルギーやアトピー

アレルギーと腸内細菌には関係があり、また、アトピーもアレルギーが関係していると考えれば、アトピーの根本的な原因が腸内細菌にあると考えてもよさそうです。

食物アレルギーの場合はアレルギー物質を含む食品を避けること、また、ハウスダストがアレルギーの原因である場合はハウスダストを取り除くことが重要だとされています。確かに全て大切なことですが、そもそもアレルギーを引き起こす体質を改善させることも同じように重要だと思います。

乳幼児のアレルギーと腸内細菌

ところで乳幼児のアレルギーは腸内細菌が深く関わっています。まだ生まれる前の胎児の腸には腸内細菌が全くすみついていません。出生後に排泄される胎便にはほとんど細菌がいないのです。

ところが胎児が産道を通過する時には、母体に共生している細菌にさらされます。そして24時間以内には、新生児の腸内で様々な腸内細菌の増殖が始まります。

もし出生直後から母乳を与えていた場合、3、4日ほどするとビフィズス菌や乳酸桿菌(善玉菌)の増殖が始まり、これらが主要な腸内細菌となって定着します。逆に人工乳を与えていた場合、ビフィズス菌や乳酸桿菌の割合は少なくなり、相対的に大腸菌や腸球菌、ブドウ球菌(悪玉菌)の割合が増えます。

そして、ビフィズス菌や乳酸桿菌といった善玉の腸内細菌が少ない乳幼児の場合、アレルギーになる割合が多いのです。さらにアレルギー体質の乳幼児にビフィズス菌や乳酸菌を与えた場合、アレルギーの症状が軽減することが突き止められました。

出生直後の腸内細菌は定着しやすい

出生直後の腸内細菌は母乳を与えるか人工乳を与えるかで激変しますが、このような善玉菌と悪玉菌の腸内細菌の割合は老年期まで続きやすいようです。そのため、アレルギー体質を防ぐためには、出生直後の授乳から気を付ける必要があります。

また、今アレルギーやアトピーに悩んでいる場合、ビフィズス菌や乳酸桿菌といった善玉の腸内細菌を増やすことが症状の軽減に役立ちそうです。オリゴ糖や食物繊維の積極的な摂取が善玉の腸内細菌を増やす助けとなります。