サプリメントでビタミン過剰症?
サプリメントはビタミン過剰症に注意が必要です。
ダイエットでカロリー制限を行い、毎朝朝食を抜き、その代わりにビタミン不足をサプリメントで補う。このようなことは健康にとって本当に有意義なのでしょうか。
まず最初にいえることが、サプリメントでビタミンを補うことの難しさです。
「ビタミン不足にはサプリメントよりポリフェノール」で指摘しているように、サプリメントを規定量摂取したとしても本当に体に吸収されるのかといえば疑問です。
更に、ビタミン不足を解消するものは食品に含まれる直接のビタミンだけではなく、天然食品由来のポリフェノールも関与することが知られています。直接的には該当するビタミンを摂取しなくても、ポリフェノールによる何らかの作用のために体内のビタミン濃度が上昇するのです。
それならば、サプリメントを多めに摂取すれば問題がないのではないか、と思われるかもしれません。
確かにサプリメントの成分が体へ吸収されにくいのであれば、サプリメントを大量摂取すればこの点は解決できるのかもしれません。
ただし、問題はそれほど単純なものではないのです。
サプリメントでは特定の栄養成分だけが大量に
サプリメントで栄養を摂取する場合、特定の栄養成分だけが体に大量に取り入れられてしまいます。
例えばビタミンEは抗酸化作用で知られていますので、ビタミンEの錠剤さえ飲めば健康になれるという気分になることでしょう。
でも健康のためだと思ってのビタミンの大量摂取は逆に、過剰症という深刻な健康障害を生む結果になりかねません。
例えばビタミンEを取り過ぎると血液凝固障害といって、血がなかなか止まらない症状が出できます。ビタミンAは肌荒れや食欲不振を引き起こします。
ビタミンDは骨をもろくし、ビタミンKは溶血性貧血(赤血球に反応する自己抗体ができて、赤血球が異常に早く破壊されておこる貧血)を引き起こします。
サプリメントより天然食品の未知の成分
栄養摂取はサプリメントよりも、天然食品に由来の未知の成分に頼る方が効率的です。
上記のように体内のビタミン濃度を高めるためには、直接的にビタミンを摂取するだけでは役不足です。でも、天然食品由来のポリフェノールを摂取することで、体内のビタミン濃度を効率よく高めることができるのです。
更には天然食品で体内のビタミン濃度を高めるのであれば、ビタミン過剰症という悪影響を心配する必要もありません。
でも、サプリメントの原料が天然であれば問題なさそうだけど・・と思ってしまいがちです。ただし、ほうれん草やキャベツを一度にバケツ一杯分も食べたりするでしょうか。
サプリメントは錠剤ですので気軽な反面、たった数粒でこのようなことさえ簡単にできてしまいます。
また、ビタミンをそれ単体で摂取しても一般に知られている作用を期待できない場合もあり、天然の食品に含まれる未知の成分との相互作用があって初めてその作用が発揮される場合もあります。
天然食品由来のポリフェノールは、4千種類以上とも5千種類以上ともいわれています。
ビタミン摂取をしていないのに体内のビタミン濃度が上昇することを考えても、生活習慣病の間接的な原因となる活性酸素を取り除く役割を考えても、ポリフェノールの重要性が理解できます。
単体でビタミンを補っても、あるいはマルチビタミンでたった20種類のビタミンを補うだけでは意味がないのです。