コエンザイムQ10は安全なサプリメント?

コエンザイムQ10は安全なサプリメントなのでしょうか。コエンザイムQ10は20才をピークとして徐々に減っていくため、サプリメントから摂取しなければならないといわれています。

また、コエンザイムQ10の1日推奨摂取量は60~200mgといわれることもあります。でも、コエンザイムQ10をサプリメントから摂取することは安全なことで、この推奨摂取量は妥当な数値なのでしょうか。

コエンザイムQ10の摂取上限量(過剰症などの健康被害を避けるための摂取上限量)に関しては意見が多数あり、30~300mgと大きな幅があります。

コエンザイムQ10はもともと、医薬品として糖尿病、心疾患、脳出血の治療に用いられてきた脂溶性のビタミン様物質です。

コエンザイムQ10は厚生労働省で副作用などを含めた様々な角度から考慮され、「基礎治療施行中の軽度及び中等度のうっ血性心不全症状」の効能・効果で、医薬品としては1日30mgの用量で承認されています。

医薬品とは劇薬を含む分類です。それゆえに、医薬品として販売する場合には、摂取目安量や摂取上限量は法律により明確に定める決まりがあります。

しかし食品として販売する場合には法律上、摂取目安量や摂取上限量を特に設ける必要はありません。販売の際も摂取上限量を自由に決めることが可能ですので、摂取する人の自己責任が原則です。

脂溶性ビタミンの性質

コエンザイムQ10は脂溶性ビタミン(ビタミン様物質)です。脂溶性ビタミンとはビタミンA、Eといった油に溶ける性質を持つビタミンで、大量摂取した場合には体に蓄積する特徴があります。

脂溶性ビタミンを大量に摂取すると、ビタミン過剰症という健康維持に深刻な影響を及ぼす症状が発生します。「サプリメントでビタミン過剰症?

それゆえにコエンザイムQ10の大量摂取は避けるべきで、医薬品として定められた上限値の1日当たり30mg以下が妥当な数値であるといえます。

ビタミンCなどの水溶性ビタミンは過剰摂取しても体外に排出されますが、脂溶性ビタミンはそうならないため注意が必要なのです。

コエンザイムQ10は未知のサプリメント

コエンザイムQ10が食品(サプリメント)として承認されたのは2001年からですので、現段階では歴史が浅く、副作用や安全性の十分なデータがまだありません。

従って、コエンザイムQ10をサプリメントとして摂取する場合には、長期摂取による未知の危険性を十分考慮に入れておく必要があります。

その反対に、食品からコエンザイムQ10を摂取することは安全であるといえます。なぜなら、日本人はコエンザイムQ10を豊富に含む青魚を2000年間食べてきた歴史があるからです。

コエンザイムQ10が多い食品は、いわし100g中に約6.5mg、さば100g中に4mg強、牛肉100g中に約3mg強、大豆(乾)100g中に2mg強、ほうれん草100mg中に1mg強、ブロッコリー100g中に約1mg含まれているといわれています。

従って、コエンザイムQ10を食品から摂取しようとすれば、いわしやさばなどの青魚がおすすめです。