体脂肪燃焼のサプリメントに疑問

体脂肪を燃焼するといわれるサプリメントには、実際のところ効果があるのでしょうか。

そもそも運動を全くしないで、体脂肪燃焼系のサプリメントを飲むだけで簡単に痩せることは可能なのでしょうか。体脂肪の燃焼に関与するサプリメントとしては、コエンザイムQ10やカルニチンなど様々な種類のものがあります。

例えばサプリメントの作用を解説するサイトには、各種のサプリメントが体脂肪の燃焼に不可欠であるとの印象を抱かせる内容が記されています。

「・・補酵素のQ10（コエンザイムQ10）は筋肉を強化して基礎代謝を活発にして脂肪をどんどん燃やし、血液中の遊離脂肪酸を増やします。・・体についた脂肪分を分解・・」

「・・Ｌ－カルニチンはアメリカの肥満外来病院で使用されるアミノ酸系の実力派ダイエットサプリメントで・・」

「・・アメリカで人気のクロミウムを・・mcg配合しました。クロミウムには脂肪を減少する効果と満腹中枢に刺激を与えて食欲を抑制する効果があるといわれ・・」

「・・１粒中にメリロートを・・mg配合しましたので理想のスラッとしたスタイルを求める方に最適です・・」

ダイエット効果の疑問点

サプリメントのダイエット効果は実際のところ、期待される程度に見込まれるのでしょうか。

例えばコエンザイムQ10について考えてみたいと思います。

体内のコエンザイムQ10の量は２０代をピークに減少の一途をたどり、４０代では３０％、８０代では５０％以上が失われるといわれています。コエンザイムQ10は1日に６０～２００mgの摂取が推奨されることがあるようです。

コエンザイムQ10の作用を簡単に説明すると、体内でエネルギーを作り出すミトコンドリアと呼ばれる小器官に作用するため、コエンザイムQ10が体脂肪の燃焼を助けるというものです。

コエンザイムQ10が不足した状態では、体脂肪の燃焼ができないといわれています。

コエンザイムQ10が体内に存在しなければ体脂肪の燃焼に支障をきたすとしても、サプリメントで補わなければ本当に体脂肪の燃焼ができないほどに不足してしまうものなのでしょうか。

４０代以降の人が肥満になる原因を考えてみます。

４０代といえば仕事が非常に充実した時で、夜遅くまで残業を続ければ運動する機会も少ないことでしょう。その上、付き合いなどでお酒を飲む機会も多いはずです。

肥満の原因は摂取カロリーに比べて消費カロリーが少ない状態にありますので、運動を行う機会が少なければカロリーを消費する機会も失われた状態です。

あるいはお酒を飲むことで摂取カロリーも多くなり、生活習慣上から肥満になりやすい状態にあるといえます。

ここで視点を反対側に移すと、全ての４０代の人は必ずしも肥満になるのでしょうか。あるいは２０代の人に比べて、４０代の人では体脂肪の燃焼効率が平均で３０％も失われるものなのでしょうか。

いつまでもスポーツを行う人は、いくつになっても肥満にはならないものです。高齢の方でもコエンザイムQ10のサプリメントなしに、フルマラソンを完走しています。

なお、基礎代謝量を活発にするためには運動が不可欠です。なぜなら「基礎代謝量のアップ＝筋肉量の増加」ですので、筋肉に刺激を与えることなしには筋肉量も基礎代謝量も増加しないのです。