ザクロで前立腺がんを抑制
前立腺がんの抑制にザクロが有効である可能性があります。名古屋私立大学によると、果物のザクロに前立腺がんの細胞を死滅させる成分が含まれているということです。
「人間の初期の前立腺がん細胞を培養したものを濃度5%のザクロ果汁の溶液に浸すと、わずか30分で激しい反応を起こしてがん細胞が死滅した」といいます。
ザクロを直接摂取することでも、がん細胞の縮小に有効である可能性があります。
「前立腺がんを持つラットに濃度が5%のザクロジュースを飲ませたところ、がんが縮小する効果が見られた」ということです。また、「普通の食品にこのような作用があるのはめずらしい」ことだそうです。
なおこの実験に関しては、ザクロに含まれるどの成分にがん細胞の抑制に対する作用があるのかは明らかにされていません。
ザクロは大腸がんも抑制
ザクロは大腸がんの抑制にも作用するようです。
日本学術振興会特別研究員として腫瘍病理学教室に在籍する鈴木里加子博士が95th The AmericanOil Chemist's Society Annual Meeting & Expoのシンポジウムにて発表した内容によると、
「共役リノレン酸の1つであるプニカ酸を豊富に含有するザクロ種子油を混餌投与することでラット大腸発がんを有意に抑制」するようです。
共役リノレン酸は共役リノール酸よりも強い抗がん作用を有するともいわれる成分で、共役リノール酸とは抗がん作用や高血圧の抑制作用など生活習慣病の予防効果が期待される成分です。
共役リノール酸は共役リノレン酸とよく似た名前を持つ成分ですが、トナリンとも呼ばれます。「ひまわりの種が生活習慣病を予防する」
ザクロには美容効果も
ザクロには美容効果も期待できます。ザクロには大豆イソフラボンと同様に、女性ホルモンのエストロゲンと同じような作用を持つ物質が含まれています。
女性は閉経後にエストロゲンの分泌が減少するため更年期障害の様々な症状を引き起こしますが、大豆やザクロに含まれる植物性のエストロゲンには本来のエストロゲンを補う作用を期待できます。「美容対策は大豆のイソフラボンで」
ザクロとはザクロ科の落葉高木で高さが5~10メートルにもなり、原産地はペルシア・インドです。6月頃に赤く鮮やかな花を咲かせ、果実は秋に熟すと裂けて多くの種子を見せます。
果皮を乾燥させたものを煎じて飲むと下痢止めや虫下しになり、ザクロの樹皮は煎じて駆虫剤としても利用されます。