痩せる腸内細菌ダイエットの全て

痩せる腸内細菌のダイエット効果が注目されています。痩せの大食いという言葉があるように、たくさん食べても太らない人の存在は不思議に思われていました。その反対に、少ししか食べていないにも関わらず、他の人より明らかに太りやすい体質で悩んでいる人も多いものです。

このたくさん食べても太りにくい原因の1つに、痩せる腸内細菌というものが関係していることが、複数の動物実験や人に対する試験結果により最近明らかになりました。

腸内細菌のダイエット効果について、さらに痩せる腸内細菌を増やす3つの方法について以下に詳しく解説します。

痩せる腸内細菌とは?

まず、痩せる腸内細菌とは何なのでしょうか?

痩せる腸内細菌とは、痩せる体質を持つ人の腸内に多く存在する細菌のことです。今までダイエットに直接関わるのは食べる量(摂取カロリー)と運動(消費カロリー)だけだと考えられていました。

しかし実のところ、痩せる腸内細菌を持つ人は同じ食事量でも体が吸収するカロリーが少なく、同じ運動量でも体が消費するカロリーが多いことが科学的に明らかにされました。

この痩せる腸内細菌のダイエット効果の科学的な証明は、マウスを用いた実験で明かされました。肥満マウスの腸内細菌を移植すると体脂肪が20%余分に増えたのです。詳しくは「痩せる腸内細菌とは?」参照。

痩せる腸内細菌には次の2つのダイエット効果があります。

痩せる腸内細菌が便からのカロリー吸収を減らす

痩せる腸内細菌を持っていると、大腸に移動した便の残りかすから吸収されるカロリーの量が減ります。便秘により便が大腸に停滞することで余分なカロリーが吸収されるのではないか?、という疑問はダイエットを経験した人なら誰にでもあると思います。

実のところ、大腸に停滞した便から余分なカロリーが吸収されるのは事実であり、そのため便秘は太る原因になってしまいます。

しかし痩せる腸内細菌を持つことで、停滞した便から吸収される余分なカロリーの量が減少します。詳しくは「痩せる腸内細菌が便からのカロリー吸収を減らす」参照。

痩せる腸内細菌が体脂肪を減少

痩せる腸内細菌は体の代謝に直接影響して体脂肪を減少させる、というダイエット効果をもたらします。この痩せる腸内細菌のダイエット効果はマウスによる実験と、人による試験の両面で科学的に証明されました。

人による試験に関して言えば、痩せる腸内細菌を3週間摂取することで体脂肪率、体重、BMIがともに減少しました。詳しくは「痩せる腸内細菌が体脂肪を減少」参照。

痩せる腸内細菌を増やす3つの方法

痩せる腸内細菌を増やすには3つの方法があります。痩せる腸内細菌とはいわゆる腸内善玉菌と言われているビフィズス菌や乳酸菌のことですが、具体的に痩せる腸内細菌を増やす方法は腸内環境を整えること、高脂肪食を避けること、ストレスを避けること、の3つです。

これらの3つの方法を行えば腸内のビフィズス菌や乳酸菌(痩せる腸内細菌)が増加し、腸内細菌ダイエットを効率的に実現できます。詳しくは「痩せる腸内細菌を増やす3つの方法」参照。

オリゴ糖と食物繊維で痩せる腸内細菌を増やす

痩せる腸内細菌を増やす手っ取り早い方法が、オリゴ糖と食物繊維を摂取することです。オリゴ糖や食物繊維を摂取すると腸内に生息するビフィズス菌や乳酸菌(痩せる腸内細菌)のエサになります。

特にオリゴ糖を摂取すると、腸内善玉菌であるビフィズス菌が爆発的に増加します。ビフィズス菌は腸内で乳酸と酢酸を生成しますが、酢酸には強い殺菌力があるとされています。この強い殺菌力が腸内悪玉菌を殺菌するため、腸内はより痩せやすい環境へと傾きます。

ところで腸内善玉菌を増やすならヨーグルトを摂取すればよいと思われるかもしれませんが、ヨーグルトに含まれる乳酸菌は胃酸でほぼ死滅してしまいます。そのためヨーグルトを摂取してもあまり効果は大きくありません。(ヨーグルトの効果がゼロというわけではなく、オリゴ糖と比べれば効果が劣るという意味です。)

食物繊維は腸内の悪玉菌やそれが生成した毒素を吸着して体外に排出させます。悪玉菌やその毒素を減らすことで善玉菌が相対的に増えますが、食物繊維の一部は腸内のビフィズス菌や乳酸菌のエサにもなります。

グルコマンナンというこんにゃくに含まれる水溶性の食物繊維は、腸内細菌によってオリゴ糖に分解されます。そのためグルコマンナンは食物繊維とオリゴ糖の両方の機能性を持つ食品であり、痩せる腸内細菌を効率的に増やすことができます。

腸内細菌ダイエットでは高脂肪食を避ける

腸内細菌ダイエットを行う時には、高脂肪食をできるだけ避けた方がよいです。なぜなら、高脂肪食を摂取することで痩せる腸内細菌(乳酸菌やビフィズス菌)が減ってしまうからです。

痩せる腸内細菌を減らしてしまう高脂肪食とは、例えば欧米食であるハンバーガーや脂身の多い牛肉などです。腸内細菌ダイエットにはさっぱりした和食が最適でしょう。青魚などの脂は適度に摂取した方が健康維持に貢献するため、魚は食べても大丈夫です。

ストレスは腸内細菌ダイエットの大敵

ストレスは腸内細菌ダイエットの成功を妨げる大きな要因です。なぜなら、ストレスを感じることも痩せる腸内細菌(ビフィズス菌や乳酸菌)が減る大きな原因だからです。

ストレスを感じれば腸内のビフィズス菌や乳酸菌が減りますが、その反対に、腸内のビフィズス菌や乳酸菌が豊富であればストレスを感じにくくなります。よって、ストレスに悩まされている人は、オリゴ糖と食物繊維、グルコマンナンなどを積極的に摂取してみてはいかがでしょうか。

以上が痩せる腸内細菌ダイエットの全てです。善玉菌や悪玉菌などの腸内細菌の構成は一昼夜で変化するようなものではありませんが、時間をかけてゆっくり腸内細菌の構成を変化させていくことで、痩せる腸内細菌がもたらすダイエット効果を実感できるはずです。

低炭水化物ダイエットで痩せる腸内細菌が減る

低炭水化物ダイエットの実践で痩せる腸内細菌が減って太りやすい体質になり、さらに健康も害するとすれば、低炭水化物ダイエットにどれだけのメリットがあるでしょうか。イギリスで実施した試験において、低炭水化物ダイエットの欠点が明らかになりました。

腸内細菌は肝炎の原因にも

原因不明の肝炎の原因として悪玉の腸内細菌が関係していることが、最近の研究で明らかにされました。標準体重の人に比べて肥満の人の方が肝炎にかかりやすくなりますが、その理由は、肥満の人の肝臓は細菌毒素に対する抵抗力が弱くなっているからです。

腸内細菌とアレルギーやアトピー

アレルギーやアトピーの根本的な原因は、腸内細菌における善玉菌と悪玉菌のバランスにあります。それゆえ、アレルギーやアトピーを根本的に解決する方法は、ビフィズス菌や乳酸桿菌といった善玉の腸内細菌を増やすことだと言えそうです。

大豆イソフラボンの効果は腸内細菌が決める?

大豆イソフラボンを代謝する腸内細菌を多く持つ人ほど、大豆イソフラボンを摂取した時の効果が大きくなります。同じ健康食品を摂取しても効果に個人差があるということです。欧米人はこの腸内細菌を持つ人が少ないため、大豆イソフラボンの効果を実感しにくいようです。

痩せる腸内細菌とダイエット方法について